子どもを試す(評価する)学校教育。人は自主的な行動から学んでいく

子どもを試したがる大人たち

テストで評価する学校教育

私は高校教師をしているときから、生徒にテストをさせて成績を評価するということがあまり好きではありませんでした。

好きではないと言いながらもしっかりとやっていましたが、そもそもなぜ生徒を評価する必要があるのか、とひっそりと思っていました。

高校入試、大学入試、すべて基本は筆記試験ですから、中学や高校において生徒にテストをさせるのは自然な流れとなっています。

学期ごとに生徒の成績を付けなければならない、成績を付けるためには生徒の学力を測定しなければならない、学力を測定するためにはテストをしなければならない、という流れです。

体育や音楽と言った実技教科では筆記試験の代わりに実技がテストされます。

生徒の成績には、提出物や授業態度などのテスト以外の要素も入りますし、近年、新しい評価について様々な試みがなされてきています。

それでもやはり、生徒の評価と言えばテスト、というのは多くの教員に異論はないことでしょう。

それは私たちが子どものころから、さらにもっと前から続いてきているやり方ですので、今さら「なぜ生徒を評価するのか?」「なぜテストなのか?」なんてことを考える人はあまりいないでしょう。

生徒の方も、テストを受けてその点数をもとに成績を付けられるのは当たり前だと思っていますから、とくに違和感なくテストのために勉強に取り組みます。

テスト勉強をしたおかげでその分野の知識レベルが上がるのはごく自然のことです。

子どもを試したがる大人たち

絵本作家の五味太郎さんがその著書『大人問題』の中で面白い指摘をされています。

大人は子どもに対して、すぐに試験をします。まさに試すのです。実力をつける、客観的評価をするなどという理由のもとに子どもをいたぶってるとしか、ぼくには思えません。

なぜ、そんな形でしか実力つけられないんだろうか、最後はテストなんだろうか、点数なんだろうかと思います。それが大学入試まで続いて、社会に入っても営業成績という点数化によって評価されていく、この社会の雑さ、未成熟さ。救いがないなあという感じがします。

みなさんはこの内容どう思われますか?

さらに、

女神様が、わざわざ銀の斧と金の斧を持って出てきて「これがあなたの斧ですか」と、木こりを試す話があります。これ、ほんとうに意地が悪い。最初から木こりが落としたのは鉄の斧だってわかっているくせに、あえて試します。警察はわからなくても、女神様ならわかっているはずです。なにしろ女神様なんですから。

『蜘蛛の糸』もいやな話です。あんな細い糸に、あとからあとから大勢のやつが昇ってきたら、「おれが終わってからにしろ」って怒るのが当然です。仏様も、うす汚い手で人を試します。この関係、神も仏もないという感じ。

私は五味太郎さんの気持ちにとても納得しているのですが、これが受け入れられないと感じられる人もいらっしゃることでしょう。

まあ、感じ方や考え方は人それぞれだと思いますが、五味太郎的なまとめは次のような感じです。

自主的であればテストも楽しい

自主的な参加を大前提にして、参加したい人はどうぞ、というカリキュラムを作らない限り、このいやらしさはずうっと続くと思います。

たとえば、図工コンペにぼくは出す、わたしは算数の試験に参加して学力試したい、というのが素敵です。運動会もいろいろな種目が用意されていて、このうち好きなのに参加する。イロモノが好きな子はパン食い競争と借り物競争、スポーツマンシップ好みの子は百メーター走とマラソン、美意識の子は新体操、なんていう選ぶ楽しさがあれば、競うことにもそれなりの意味が出てくるはずです。

このように、自主的であればテストも楽しくなります。いまの学校教育では自主的な活動があるようで少ない、と思います。

”自主的”と銘打っていても、実際は教師がうまく誘導しているというものが多いのではないでしょうか。

すべての活動を自主的なものにするのは難しくても、小さな部分から改善できることはあると思います。

ぜひ現場の教師のみなさんには、少しでも、児童・生徒が自主的に活動できる場面を増やすように工夫してもらいたいと思っています。

さらに、児童・生徒がやらされていると感じる場面を、自主的にやっていると感じるように工夫・改善していくことも必要ではないかと思います。

それが本来の学びであり、そういう体験をすることで学びを楽しく思うことのきっかけになると思います。

自主的を絵に描いたような学校がここです↓↓

完全自由な学校サドベリースクール!教師やるなら知っておいてほしい

五味太郎さんの書籍です↓↓

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