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部活未亡人を救いたい
冒頭ですが、この記事の結論を言っておこうと思います。
過去の私は部活に熱心になりすぎていたために妻に悲しい思いをさせてきました。今では、私の妻のように悲しむ女性をひとりでも減らしたいと思っています。
あなたの夫は洗脳されています。したがって、戦略的にやらないとその洗脳は解けません。この記事では、部活にハマっているあなたの夫の目を覚まさせる方法を提案します。
ただし、矛盾するようですが、私は、家庭を顧みずに部活に熱心になりすぎていた過去の私を否定はしません。もう少しいいやり方があったなぁ、とは思います。
また、私には現在も部活指導に熱心になっている多くの友人がいます。その友人たちのことは今でも大好きです。
部活未亡人とは?
部活未亡人とは、夫(教員)が部活動の指導で時間が無くなり、なかなか家に帰ってこれず、夫がまるでいないかのような立場に置かれた妻のことを指します。
最近生まれた言葉だと思います。ウィキペディアにはありませんでした。
『部活未亡人』
なんとも切ない響きを持った言葉です。
私はこの言葉はあまり好きではありませんが、話を分かりやすくするためにこの言葉を使わせてもらいます。
また、逆バージョン(妻が教員である場合)もあるかと思いますが、私はそちらを経験したことがありませんので、この記事では夫が教員である場合について話を進めます。
私は元公立高校の教師で、運動部の主顧問を長い間していました。
私は学校内でも特に熱心に部活動指導をしていた人間のひとりで、ほぼ毎週土日は部活動のために家を空けていました。
その当時、『部活未亡人』という言葉は知りませんでしたが、まさに私が部活未亡人を我が家に生み出していたわけです。
この記事では、自分の妻に部活未亡人としての辛さを長年にわたって与えてきた私の経験から、配偶者を部活動指導に奪われて辛い思いをされている、いわゆる部活未亡人の方に向けて、一日でも早く配偶者を部活動から取り戻すために何ができるかを考察していきます。
夫の心の中
私は公立高校の運動部顧問として20年以上働いてきました。そのうちの14年間は主顧問でした。土日はほぼ毎週練習か試合。夏休みも休みは週に一回あるかないか。年末年始の休みも3日~4日間くらいでした。
それは自分の子どもが生まれても、家で妻が一人で子育てをしていてもそれは変わりませんでした。
当然何度も妻からは何とかしてほしいと言われていました。
「もっと休んでほしい」
「たまにはもうひとりの顧問にお願いできないの?」
「せめて家にいるときくらいゴロゴロしないで」
「自分の子どもは放っておいてよその子のためには一生懸命って、おかしくない?」
先に結論を言います。
今思えばひどいことだと思うのですが、その時の私は妻の言葉をまったく聞いていませんでした。
もちろん耳はちゃんと聞いていますし、それなりに会話をしますが、その時の妻の言葉、訴えは、私の心にはまったく入ってきていませんでした。
たしかに妻のいうことに一理あるのはわかっていましたし、子育ても家事も全部やってもらって申し訳ないという気持ちもあるのですが、
申し訳ないなぁと思うよりも強く、なんで俺が文句を言われなければならないのだ、と考えてしまう自分がいました。
そんな精神状態ですから、妻から部活のことでなにか言われるとたいていの場合言い返していました。ほとんど逆ギレです。
「俺は生徒のために一生懸命やっているんだ。それがわからないのか」
「遊びでやってるんじゃないんだよ」
「教師はそういう仕事なんだよ」
「俺に仕事を辞めろって言うのか!」
「そんなに言うんだったら仕事辞めてもいいんだぞ」
今から思えば最悪ですね。
これを読まれている方も部活未亡人であるならば、おそらくあなたのご主人も似たようなものかもしれませんね。
なぜこのようなことになってしまうのでしょうか?
その答えは教師の習性にあった
「生徒のために」
この魔法の言葉に、多くの教師が判断力をなくし盲目的に走り続けています。
そこには、「教師は生徒のために尽くす存在である」という暗黙の了解があります。
教師はサービス業、生徒はお客様、いろんな言い方がされます。公立校の場合だと、公務員は全体の奉仕者、という言葉も誤って解釈されて独り歩きしています。
また、「立派な大人である教師が、未熟な子供を教え導くことが教育である」という傲慢な教育観が根底にあります。
いずれにしても、生徒のためになることには自分の時間を削ってでも取り組むのが正しい教師の在り方である、という観念にとらわれている教師が多いのです。
この観念は部活未亡人問題だけではなく、多くの教育問題の原因になっています。それについては別の記事でも書いていくつもりです。
部活未亡人にできること
部活未亡人にできることを考えていきます。
もしあなたが部活未亡人だとしたら、あなたにできることはたくさんあります。
たとえば、あなたにできることは次のことです。この順番でやりましょう。
①夫は自分の話を聞いていないことを知る
②夫は生徒のためにという言葉に支配されていると知る
③夫に自分の要求をはっきりと伝える
④夫が家にいる時間をハッピータイムに変える
⑤ちょっとした裏技
では順に説明します。
①夫は自分の話を聞いてはいないと知る
まずここからスタートです。夫はあなたの言葉など聞いていません。
あなたの言う通りに部活動の時間を減らそうかな、などとは考えません。自分が正しいと思いこんでいますので、何を言ってもすぐに改善されることはありません。
まずは、そのことを知ってください。
あなたが自分の要求を必死で訴えても、夫はほとんど聞いていない、と知ることが大事です。
そう理解することで、あなたのストレスは少しだけ軽減されることと思います。
それを知ったうえで要求は淡々と伝えていけばいいのです。
今は聞いてくれなくても、夫の心の片隅にはそのことが居座り続けるのはまちがいありません。私がそうでした。
妻に何を言われようと、まったく反省などしていませんでしたが、心の中で少しだけ引っかかっていました。
要求を伝えたら、もうその問題はいったん心の隅っこに置いて、今想像できうる最高に楽しいことでも考えてみてください。
②夫は生徒のためにという言葉に支配されていると知る
さきほども書きましたが、多くの教師は『生徒のために』という言葉に洗脳されています。
これはあなたの夫が悪いというより、教師の世界に蔓延しているウイルスのようなものですので、ある程度は仕方がないとも言えます。
生徒のためになんでもかんでもやることが教師の仕事ではありません。そのような誤った思い込みをしている教師が多いのはとても残念なことです。私もその改善のために取り組んでいますが、そんなに簡単ではありません。
あなたにできるのは、そういう教師の体質の是非を考えることではありません。
自分の夫がそのような考えに洗脳されていることを理解することです。
彼の洗脳を解くためにはどうすればいいのだろうか・・・と他人事のように考えてみてください。
カルトに洗脳された人を救い出すのには相当なエネルギーがいりますが、戦略的にやればそれは可能なことです。今回もそれに近い状況だということを知ってください。
③夫に自分の要求をはっきりと伝える
ここまでのことをスッキリと理解できたなら、いよいよ夫にあなたの要求をはっきりと伝えてください。
夫が聞いてくれなくても、口論になったとしてもしっかりと伝えることが大事です。
夫は真剣には考えてくれないかもしれません。お茶を濁してその場をうまく逃げようとするかもしれません。というかむしろそうするでしょう。
しかし、あなたの意思を伝えておかないと夫の暴走は止まりません。
今はあなたの言葉を聞いてくれなくても、その言葉は少しずつ夫の心にキープされていき、あるレベルを超えたときに初めて効力を発揮します。
コップに一滴ずつ水を落としていくことを想像してみてください。水がコップ満杯になって表面張力に打ち勝ってこぼれ出すまでは何も変化は起りません。
あなたの今日の訴えが、その水の一滴だと思って粘り強くいきましょう。
ただここでとても大事なことがあります。それは、ヒステリックにならないということです。
ストレスが溜まってイライラして、夫を目の前にしたらついつい強い口調になってしまう。その気持ちは十分理解できます。
しかし、夫の立場から見ると、妻がヒステリックになればなるほど開き直ってしまうのです。
これは難しいことですが、それが現実です。私がまったくそうでした。
妻がイライラを募らせれば募らせるほど、こちらは開き直って「俺のやってることの何が悪い!」「この前休みを取ったじゃないか!」となってしまうのです。
あなたに大事なことは、夫がどのような態度を取ったとしても決してヒステリックにならないと決めてから話をすることです。
ながながと訴えても効果はありません。1分くらいで十分です。そのたった1分間、我慢大会だと思って乗り切ってください。
「夫婦生活ガマン選手権地区予選決勝」夫にキレないで冷静に要求を伝えきるチャレンジ
くらいのつもりで遊び感覚でやれるといいのです!
あなたがチャレンジしているのは洗脳男の目を覚ますことなので、これくらいバカげた発想も大事なのです。
④夫が家にいる時間をハッピータイムに変える
さあ、ここまできたらいよいよ仕上げです。ここはかなり重要なことですのでしっかりと聞いてください。私自身の体験からも、これはかなり効果的です。
想像してみてください。1か月ぶりに部活が休みで夫が家にいます。
さあ、あなたならその1日をどのように過ごしますか?
夫に対してどのように声掛けをしますか?
家族で出かける計画を立てるかも知れませんし、家でみんなでゆっくりするかもしれません。それらはとてもいいことです。
さあ、あなたはどのように過ごしますか・・・?
私の経験上、たまの休日は嬉しいものでした。普段は生徒のことが大好きで生徒のために非常に熱心に部活動指導をしていても、休日はやはり嬉しいものなのです。
ただその嬉しいという気持ちの中身が問題です。
「よーし、久しぶりの休日だ。いつも家にいなくて家族にさみしい思いをさせてるから今日は家族をよろこばせてやろう!」
こんなふうには思っていませんでした。
そもそも、たまの休日にそんなことを考える夫であるならば、たとえ普段は部活動指導で忙しくても、家族へのケアはちゃんとやりますし、奥さんもそこまで不満には思っていないでしょう。
こんなふうには考えない男が奥さんを部活未亡人にしていくのです。
ではそんな男たちは、たまの休日にどのように考えているのでしょうか?
こんな感じです。
「よーし、今日は休みだ!普段できていない好きなことをしたい!」
その好きなことの中に、家族と出かけるというのも含まれているかもしれません。その場合、一見夫が自分たち家族のために休日の自分の時間を使ってくれていると思えるかもしれませんが、それはたまたまであって、夫は自分の好きなことをしているだけなのです。
そのことが信じられないなら、次のように言ってみると夫の考えがわかります。
夫が家族で出かけることを提案してきたら、「今日は家でゆっくりしたいからどこにも行きたいくないなぁ」と言ってみるのです。
家族のことを大切に考えている夫ならば、あなたのその言葉を聞いて「あぁそうか、わかった。じゃあ今日はみんなでゆっくりしよう」と言うことでしょう。
もしそこで「えっ?なんで?せっかくの休みなんだからどっか行こうぜ」と言うようであれば、それは単に自分がどこかに行きたいだけ、自分の好きなことのために時間を使いたいだけだと言えるでしょう。
私も遠くに出かけるのが好きな人間ですので、たまの休日は家族で出かけることをよく提案していました。
その提案を妻に却下されるとかなり不満を感じていたものです。そこで口論をしたことが何度もあります。
さあ、そんなダメ男とのことを考えると腹が立ちますよね。けど腹を立てるとすべてが水の泡ですので、ちょっと深呼吸して仕切り直しましょう。
夫のたまの休日にあなたがしてはいけないことを言います。
(1) 夫に小言を言う
(2) 夫のやりたいことを否定する
いやいや、それをするなと言われると悔しいですよね。普段どれだけ私が我慢してると思ってるの!って言われちゃいそうです。
しかし、もう少しだけ聞いてください!
あなたの目的は何ですか?
夫に自分のうっぷんをぶつけてその場だけスッキリすることですか?
夫をやりこめて「ざまあみろ」と一時の優越感に浸ることですか?
違いますよね。
違いますよね。あなたの目的は。
あなたの目的は、部活動に夢中になっている夫の目を覚まさせることですよね。
もしあなたの目的が、家族を顧みない夫にダメージを与えること、なのでしたら、私のブログなど読んでいないで今すぐ実行してください!いくらでも方法はありますので・・・笑
あなたの目的は、部活動に夢中になっている夫の目を覚まさせることです。
そのためには、自分のストレスを夫にぶつけるのは逆効果になる場合が多いのです。
今まで何度もストレスを夫にぶつけてこられたことと思います。そのことはもういいのです。そういうショック療法的な行動も効果はあるのですから。
ただこれからは、少しやり方を変えてみましょう。
夫が家にいる時間をハッピータイムにするのです。
夫に居心地のいい家庭を味わってもらうのです。
人間はより快楽を感じられることやものに惹かれる生き物なのです。
あなたの夫は、家庭で家族と過ごすよりも部活で大好きな生徒たちと過ごすことのほうに快楽を感じているのです。
それなのに、せっかくの休みに妻から小言を言われれば、ますます部活動の快楽ぶりが大きく感じられるようになります。
せっかくの休みに自分の好きなことができなかったら、ますます部活動に快楽を求めるようになります。
だから、あなたにできることは、夫の休日には夫の好きなようにさせてあげること。
これはとても悔しいことです。屈辱的なことかもしれません。しかし、これしか方法はないと思っています。
部活にハマっている夫の様子がすぐに改善されることは見込めませんが、これしか方法はありません。
私自身がそうだったのです。せっかくの休日に妻と口論したり、ダラダラ転がるなと言われたりしたとき、私の中の部活愛がさらに増大していくのを感じていました。
逆に、妻が優しかったり、自分のためになにかしてくれたりしたとき、妻がかわいく見えたり子どもの遊び相手をしてやろうかなと感じたりするのです。
ですから、屈辱的で悔しいかもしれませんが、少しだけ辛抱してやってみてください。やればやるほど少しずつですが改善していきます。
何年間も我慢しろとは言いません。やればやるだけ改善されていきます。
まずは半年くらいを目安に頑張ってほしいと思います。あなたのプロデュース力次第ではもっと早くに効果が表れるかも知れません。
プロデュースというのは、ハッピータイムを構成していくことです。
⑤ちょっとした裏技
基本的には①~④の方法でなんとかします。
が、まあ裏技も用意しておきましょう。
いまその裏技についてここに記入したんですが、やはり裏だけに、公表は控えます。
気になる方は、お問い合わせページからメッセージをください。必ず返信させていただきます。
お祈りします
時間はかかると覚悟してください。
夫は洗脳されています。
でも必ず救い出せます。
それはあなたの愛の力です。
あなた自身の器が試されているのです。
苦しい時期ですが、思い切って楽しむつもりで取り組んでください。
うまくことをお祈りしています。
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コメント
現在子育て中の部活未亡人です。部活未亡人解消の裏技知りたいです。
コメントありがとうございます。
いま出先ですので、また改めてお返事させていただきます。
このコメント欄は公開されてしまうのかどうか、わたしにもわかりません。すみません^^;
なので、
もしよろしければ次のメールにコメントいただけませんでしょうか?
subeuma44@yahoo.ne.jp
もしできたらで結構です。
よろしくお願いします。
こんにちは。
約2年前にコメントをいただきました。
その後、いかがでしょうか。
もしかしたら私が指定したメールアドレス宛にメールをくださったのかもしれませんが、
私の方では確認できませんでした。申し訳ございません。
長い時間が経ってしまいましたが、
もしよろしければご連絡ください。
メールアドレスは
sukidaze@sukidaze.com
までお願いいたします。