日本文学を彩る名作たち
直木賞(正式名称:直木三十五賞)は1935年に創設され、大衆文学を対象とする日本の代表的な文学賞です。エンターテインメント性と文学性の両立を重視し、時代ごとの名作を世に送り出してきました。このページでは、2005年から2025年までの受賞作を一覧で紹介します。芥川賞受賞作一覧はこちら。
FAQ(よくある質問)
FAQ(よくある質問)
Q1. 発表のタイミングは?
A1. 直木賞は年2回(例年1月・7月前後)に発表。
Q2. 「上」「下」は何を意味しますか?
A2. 「上=上半期」「下=下半期」の意で、その年の前期・後期の授賞を示します
Q3. 「該当作なし」はよくあるの?
A3. 多くはありません。直近では第173回(2025年上半期)が該当作なしとなりました。
直木賞受賞作一覧(2005〜2025年)
2005年
上(第133回):花まんま(朱川湊人)
昭和の大阪を舞台に、子どもの眼差しが掬い上げる無垢と残酷の短編集。
下(第134回):容疑者Xの献身(東野圭吾)
天才数学者の献身が導く“究極の論理と愛”の本格ミステリー。
2006年
上(第135回):風に舞いあがるビニールシート(森絵都)
ささやかな日常の亀裂から零れる痛みと希望を、端正に描く短編集。
上(第135回):まほろ駅前多田便利軒(三浦しをん)
便利屋コンビが奇妙な依頼を通じて人の孤独とやさしさに触れる物語。
下(第136回):該当作なし
2007年
上(第137回):吉原手引草(松井今朝子)
遊郭・吉原を多声的証言で解き明かす、謎と情の時代小説。
下(第138回):私の男(桜庭一樹)
北海道と東京を往還する、禁断の愛の衝撃を描く人間ドラマ。
2008年
上(第139回):切羽へ(井上荒野)
孤島の町で交錯する秘密と絆を静かな筆致で描く。
下(第140回):利休にたずねよ(山本兼一)
千利休の美学と生涯に迫る、端麗な歴史小説。
下(第140回):悼む人(天童荒太)
喪失に寄り添い“悼む”ことの意味を問う静謐な長編。
2009年
上(第141回):鷺と雪(北村薫)
昭和初期の上流社会を舞台に、気品ある謎と人情が交差する連作。
下(第142回):廃墟に乞う(佐々木譲)
道警刑事が人間の闇に迫る、骨太な事件簿短編集。
下(第142回):ほかならぬ人へ(白石一文)
愛と選択の重みを静かに照射するヒューマンドラマ。
2010年
上(第143回):小さいおうち(中島京子)
女中の回想から炙り出される、昭和の家族の秘密と機微。
下(第144回):月と蟹(道尾秀介)
少年たちの密やかな儀式が連れてくる、切ない夏の影。
下(第144回):漂砂のうたう(木内昇)
明治の新聞社を背景に、時代のうねりと人の情熱を描く。
2011年
上(第145回):下町ロケット(池井戸潤)
町工場が特許と誇りを武器に大企業へ挑む痛快企業小説。
下(第146回):蜩ノ記(葉室麟)
切腹を命じられた武士の最期の歳月を端正に綴る。
2012年
上(第147回):鍵のない夢を見る(辻村深月)
日常の綻びからこぼれる罪と不安を描く女性たちの物語。
下(第148回):等伯(安部龍太郎)
長谷川等伯の生涯に迫る、美と権力のせぎ合いの歴史大作。
下(第148回):何者(朝井リョウ)
就活×SNS世代の自己像を鋭く抉る青春群像劇。
2013年
上(第149回):ホテルローヤル(桜木紫乃)
北海道のラブホテルを舞台に、人生の陰影を映す連作。
下(第150回):恋歌(朝井まかて)
女流歌人・中島歌子の波乱に満ちた生涯を丹念に描く。
下(第150回):昭和の犬(姫野カオルコ)
犬と家族が映し出す昭和の時間と愛のかたち。
2014年
上(第151回):破門(黒川博行)
疫病神シリーズ、ヤクザ×建設利権の痛快クライム小説。
下(第152回):サラバ!(西加奈子)
姉弟の成長と旅路をめぐる、鮮烈な青春ロマン。
2015年
上(第153回):流(東山彰良)
台湾と日本を往還する、疾走感あふれる青春冒険譚。
下(第154回):つまをめとらば(青山文平)
江戸の世を舞台に“生き方と夫婦”を問う滋味深い短編集。
2016年
上(第155回):海の見える理髪店(荻原浩)
親子や夫婦の関係を温もりと痛みで描く珠玉の短編集。
下(第156回):蜜蜂と遠雷(恩田陸)
国際ピアノコンクールが紡ぐ、才能と音楽の祝祭劇。
2017年
上(第157回):月の満ち欠け(佐藤正午)
時と生を超えてめぐる、愛の輪廻の物語。
下(第158回):銀河鉄道の父(門井慶喜)
宮沢賢治を“父”の視点から描く、静かな感動作。
2018年
上(第159回):ファーストラヴ(島本理生)
心の傷と救済を問う、緊張感あふれる心理ドラマ。
下(第160回):宝島(真藤順丈)
戦後沖縄の激動を、熱量たっぷりに描く歴史エンタメ。
2019年
上(第161回):渦 妹背山婦女庭訓 魂結び(大島真寿美)
近松門左衛門の創作世界を描く、華やかな文芸史譚。
下(第162回):熱源(川越宗一)
樺太のアイヌと流刑のポーランド人が、故郷と尊厳を求めて時代に抗う。
2020年
上(第163回):少年と犬(馳星周)
震災の余波を生きる人々と一匹の犬の縁を綴る感動作。
下(第164回):心淋し川(西條奈加)
江戸の宿場町に流れる孤独とやさしさの連作短編。
2021年
上(第165回):テスカトリポカ(佐藤究)
メキシコ麻薬戦争と日本の闇が接続する、圧巻のクライムノワール。
上(第165回):星落ちて、なお(澤田瞳子)
明治大正の激動期、河鍋暁斎の娘・暁翠が父の影と時代に抗い画業を貫く。
下(第166回):塞王の楯(今村翔吾)
石垣職人が示す職人魂と戦国の矜持、熱い攻防譚。
下(第166回):黒牢城(米澤穂信)
城攻めの密室で交錯する謀略と推理、異色の歴史ミステリー。
2022年
上(第167回):夜に星を放つ(窪美澄)
喪失のあとに灯る微かな光を描く、心温まる短編集。
下(第168回):地図と拳(小川哲)
満州を舞台に、人間の欲望と戦争の暴力を描く大作。
下(第168回):しろがねの葉(千早茜)
鉱山の街に生きる人々の業と愛を繊細に描く。
2023年
上(第169回):極楽征夷大将軍(垣根涼介)
史実×虚構が疾走する、骨太の歴史冒険エンタメ。
上(第169回):木挽町のあだ討ち(永井紗耶子)
江戸の芝居町で紡がれる情と義、華やかな時代小説。
下(第170回):ともぐい(河﨑秋子)
大自然の厳しさと人の生を見つめる、圧巻の叙情。
下(第170回):八月の御所グラウンド(万城目学)
京都を舞台に、友情と青春のきらめきを描く物語。
2024年
上(第171回):ツミデミック(一穂ミチ)
感染症の影で揺れる心と関係性を描く、現代の寓話。
下(第172回):藍を継ぐ海(伊与原新)
科学と人の絆が海辺で交わる、胸に残る長編。
2025年
上(第173回):該当作なし
評価が拮抗し、27年ぶりの“空位”という異例の決定。
