日本推理作家協会賞は、国内ミステリ文学の発展に寄与した作品を表彰する日本最高峰の文学賞です。
長編・短編・評論・翻訳の4部門が設けられ、文芸性と娯楽性を兼ね備えた傑作が選出されます。
1998年(第51回)
『OUT』(桐野夏生)【長編】 — 主婦たちの崩壊と連帯を描く衝撃の社会派サスペンス。(出典:Amazon)
『鎮魂歌 不夜城II』(馳星周)【長編】 — 新宿の闇で生と死が交錯するハードボイルド。(出典:Amazon)
『本格ミステリの現在』(笠井潔 編)【評論】 — 本格ミステリの潮流と論点を立体的に整理した評論集。(出典:Amazon)
『ホラー小説大全』(風間賢二)【評論】 — 世界のホラー文学を俯瞰する決定版ガイド。(出典:Amazon)
1999年(第52回)
『秘密』(東野圭吾)【長編】 — 入れ替わった魂が家族の絆を揺さぶる切実なミステリ。(出典:Amazon)
『幻の女』(香納諒一)【長編】 — 記憶の欠落から真相へ迫る倒叙的サスペンス。(出典:Amazon)
『花の下にて春死なむ』(北森鴻)【短編(連作)】 — 路地裏のビアバーで、人の想いと小さな謎が解かれる連作。(出典:講談社文庫)
『世界ミステリ作家事典〔本格派篇〕』(森英俊)【評論】 — 本格派作家の情報を網羅した研究的資料書。(出典:Amazon)
※第53回より、**連作短編集は「長編・連作短編集部門」**の対象です。
2000年(第53回)
『永遠の仔』(天童荒太)【長編・連作】 — 幼少期の傷と罪を抱えた三人の運命が再び交差する長篇ドラマ。(出典:Amazon)
『亡国のイージス』(福井晴敏)【長編・連作】 — 最新鋭護衛艦で繰り広げられる国家と個人の葛藤。(出典:Amazon)
「動機」(横山秀夫)【短編】 — 警務官が署内不祥事の真相に迫る、静かな緊張感に満ちた警察短編。(出典:文春文庫)
『ゴッホの遺言』(小林英樹)【評論】 — 画家の生と作品を推理的視点で読み解く評論。(出典:Amazon)
2001年(第54回)
『残光』(東直己)【長編・連作】 — 札幌の街に潜む闇を探偵が歩く、渋味あふれる犯罪小説。(出典:Amazon)
『永遠の森 博物館惑星』(菅浩江)【長編・連作】 — 科学と心の交差点をやさしく描くSFミステリ連作。(出典:Amazon)
『20世紀冒険小説読本(日本篇/海外篇)』(井家上隆幸)【評論】 — 冒険小説の系譜を総覧する実用ガイド。(出典:Amazon)
『推理作家の出来るまで』(都筑道夫)【評論】 — 軽やかな筆致で創作の舞台裏を綴るエッセイ評論。(出典:Amazon)
2002年(第55回)
『ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件』(山田正紀)【長編・連作】 — 舞台と現実が反転する、実験精神に満ちた本格長編。(出典:Amazon)
『アラビアの夜の種族』(古川日出男)【長編・連作】 — 千夜一夜の幻想を現代に響かせる壮大な叙事譚。(出典:Amazon)
「都市伝説パズル」(法月綸太郎)【短編】 — 都市伝説を題材にした殺人事件を、父子探偵が論理で解く知的短編。(出典:講談社『法月綸太郎の功績』)
「十八の夏」(光原百合)【短編】 — 十八歳の少女の想いと成長を描いた、爽やかな余韻の短編。(出典:双葉文庫)
2003年(第56回)
『石の中の蜘蛛』(浅暮三文)【長編・連作】 — 閉ざされた関係の網に潜む罪が浮かぶ異色本格。(出典:Amazon)
『マレー鉄道の謎』(有栖川有栖)【長編・連作】 — 火村&アリスが異国の鉄路で難事件に挑む旅情作。(出典:Amazon)
『幻影の蔵』(新保博久・山前譲)【評論】 — 忘れられた名作・作家を掬い上げる資料的評論。(出典:Amazon)
2004年(第57回)
『ワイルド・ソウル』(垣根涼介)【長編・連作】 — 冤罪と復讐、友情が交錯するスケール感の社会派。(出典:Amazon)
『葉桜の季節に君を想うということ』(歌野晶午)【長編・連作】 — ロマンと論理が同居する、驚愕の一作。(出典:Amazon)
「死神の精度」(伊坂幸太郎)【短編】 — 風変わりな“死神”が人間の機微を見つめる連作。(出典:Amazon)
『水面の星座 水底の宝石』(千街晶之)【評論】 — 多彩なミステリの魅力を繊細に論じる評論集。(出典:Amazon)
『夢野久作読本』(多田茂治)【評論】 — 奇想の作家・夢野久作へ入るための決定版手引。(出典:Amazon)
2005年(第58回)
『硝子のハンマー』(貴志祐介)【長編・連作】 — 完璧な防犯を切り裂く、知と執念の密室攻略。(出典:Amazon)
『剣と薔薇の夏』(戸松淳矩)【長編・連作】 — 異国情緒と剣戟が香る、冒険色の濃いミステリ。(出典:Amazon)
『不時着』(日高恒太朗)【評論】 — 医療と人間を主題にした硬派なノンフィクション。(出典:Amazon)
2006年(第59回)
『ユージニア』(恩田陸)【長編・連作】 — 20年前の事件が多視点で蘇る、重層的サスペンス。(出典:Amazon)
「独白するユニバーサル横メルカトル」(平山夢明)【短編】 — 地図帳が語り手となる異色作をはじめ、戦慄と哀感が交錯する短編集。(出典:光文社文庫)
『松本清張事典 決定版』(郷原宏)【評論】 — 巨匠の全貌を辿る決定版リファレンス。(出典:Amazon)
『下山事件 最後の証言』(柴田哲孝)【評論】 — 未解明事件の核心を追う迫真のノンフィクション。(出典:Amazon)
2007年(第60回)
『赤朽葉家の伝説』(桜庭一樹)【長編・連作】 — 三代の女たちの血脈が紡ぐ骨太な年代記ミステリ。(出典:Amazon)
『私のハードボイルド』(小鷹信光)【評論】 — ジャンルの精神を語り尽くすエッセイ評論。(出典:Amazon)
『論理の蜘蛛の巣の中で』(巽昌章)【評論】 — 論理の網目から名作を読み直す批評的試み。(出典:Amazon)
2008年(第61回)
『果断 隠蔽捜査2』(今野敏)【長編・連作】 — 組織と信念の狭間で矜持を貫く警察群像劇。(出典:Amazon)
「傍聞き」(長岡弘樹)【短編】 — 娘の行動に悩む刑事の心情を描き、最後に静かな感動を呼ぶ短編。(出典:双葉文庫)
『星新一 一〇〇一話をつくった人』(最相葉月)【評論】 — 創作の秘密と軌跡に迫る圧巻の評伝。(出典:Amazon)
『幻想と怪奇の時代』(紀田順一郎)【評論】 — 日本の怪奇文化を読み解く総覧的評論。(出典:Amazon)
2009年(第62回)
『カラスの親指』(道尾秀介)【長編・連作】 — 詐欺師たちの再生と絆を描く温かな逆転劇。(出典:Amazon)
『ジョーカー・ゲーム』(柳広司)【長編・連作】 — D機関の知略が冴えるスパイ連作ミステリ。(出典:Amazon)
「熱帯夜」(曽根圭介)【短編】 — 猛暑の夜、逃げる者と追う者の運命が交錯する、灼熱のサスペンス短編集。 (出典:角川ホラー文庫『熱帯夜』)
「渋い夢」(田中啓文)【短編】 — ジャズマン永見緋太郎が遭遇する人情と謎を描く、軽妙なミステリ。(出典:東京創元社)
『「謎」の解像度』(円堂都司昭)【評論】 — 現代文化における“謎”の構造を読み解く。(出典:Amazon)
『〈盗作〉の文学史』(栗原裕一郎)【評論】 — 創作と模倣の境界を問う画期的研究。(出典:Amazon)
2010年(第63回)
『粘膜蜥蜴』(飴村行)【長編・連作】 — グロテスクな想像力で人間の業をえぐる怪作。(出典:Amazon)
『乱反射』(貫井徳郎)【長編・連作】 — 善意の連鎖が悲劇を生む社会派群像ミステリ。(出典:Amazon)
「随監」(安東能明)【短編】 — 左遷された警部が矜持をかけて事件に挑む、警察小説の精髄。(出典:新潮文庫『撃てない警官』収録)
『英文学の地下水脈 古典ミステリ研究〜黒岩涙香翻案原典からクイーンまで〜』(小森健太朗)【評論】 — 古典ミステリの系譜を縦断する本格研究。(出典:Amazon)
2011年(第64回)
『隻眼の少女』(麻耶雄嵩)【長編・連作】 — 本格ミステリの構造を極限まで突き詰めた問題作。(出典:Amazon)
『折れた竜骨』(米澤穂信)【長編・連作】 — 中世の騎士と推理を融合した歴史ファンタジー。(出典:Amazon)
「人間の尊厳と八〇〇メートル」(深水黎一郎)【短編】 — 陸上競技の実況を通して人間の尊厳を描く、皮肉と感動の短編。(出典:講談社文庫)
『遠野物語と怪談の時代』(東雅夫)【評論】 — 日本怪談文化の背景を読み解く意欲的評論。(出典:Amazon)
2012年(第65回)
『ジェノサイド』(高野和明)【長編・連作】 — 科学と生命倫理を問う国際スケールのサスペンス。(出典:Amazon)
「望郷、海の星」(湊かなえ)【短編】 — 島を離れた娘が母の死をきっかけに故郷と向き合う、切ない再生の物語。(出典:文藝春秋『望郷』)
『近代日本奇想小説史 明治篇』(横田順彌)【評論】 — 明治期文学に潜む奇想の系譜を辿る研究書。(出典:Amazon)
2013年(第66回)
『百年法』(山田宗樹)【長編・連作】 — 永遠に生きる人々の倫理と社会を描くSF巨篇。(出典:Amazon)
「暗い越流」(若竹七海)【短編】 — 他人の不幸を願う女性の心に潜む罪と欲望を描いた心理ミステリ。(出典:光文社文庫『悪いうさぎ』)
『「マルタの鷹」講義』(諏訪部浩一)【評論】 — 古典探偵小説の読み解きを講義形式で展開。(出典:Amazon)
2014年(第67回)
『金色機械』(恒川光太郎)【長編・連作】 — 江戸情緒と幻想が融合した時代幻想譚。(出典:Amazon)
『殺人犯はそこにいる』(清水潔)【評論】 — 実在事件の真相を追う調査報道ノンフィクション。(出典:Amazon)
『変格探偵小説入門』(谷口基)【評論】 — 異端の探偵小説を読み解く必読入門書。(出典:Amazon)
2015年(第68回)
『土漠の花』(月村了衛)【長編・連作】 — 過酷な戦地に咲く希望を描いた骨太な社会派ミステリ。(出典:Amazon)
『イノセント・デイズ』(早見和真)【長編・連作】 — 無実の死刑囚をめぐる愛と救済の物語。(出典:Amazon)
『本棚探偵最後の挨拶』(喜国雅彦)【評論】 — 書棚をめぐる文化的冒険を描いた軽妙なエッセイ。(出典:Amazon)
『アガサ・クリスティー完全攻略』(霜月蒼)【評論】 — 名作の構造を徹底的に解析した研究書。(出典:Amazon)
2016年(第69回)
『孤狼の血』(柚月裕子)【長編・連作】 — 昭和の広島を舞台に正義と暴力を描いた警察群像劇。(出典:Amazon)
「おばあちゃんといっしょ」(大石直紀)【短編】
「ババ抜き」(永嶋恵美)【短編】
『マジカル・ヒストリー・ツアー』(門井慶喜)【評論】 — 美術史とミステリを横断する知的エッセイ。(出典:Amazon)
2017年(第70回)
『愚者の毒』(宇佐美まこと)【長編・連作】 — 失踪事件を軸に人間の愚かさを描く心理ミステリ。(出典:Amazon)
「黄昏」(薬丸岳)【短編】 — 老刑事が、かつての恋人の弟を逮捕する――哀切と赦しを描く刑事短編。『刑事の怒り』収録 (出典:新潮社公式)
2018年(第71回)
『いくさの底』(古処誠二)【長編・連作】 — 戦場で生きる人間の尊厳を問う重厚な戦記ミステリ。(出典:Amazon)
「偽りの春」(降田天)【短編】 — 詐欺グループの女が裏切りと罪に追い詰められる、哀切の犯罪ドラマ。(出典:集英社文庫『偽りの春』)
『昭和の翻訳出版事件簿』(宮田昇)【評論】 — 戦後翻訳史を追う出版文化研究。(出典:Amazon)
2019年(第72回)
『凍てつく太陽』(葉真中顕)【長編・連作】 — 政治と報道の裏側を暴く社会派サスペンス。(出典:Amazon)
「学校は死の匂い」(澤村伊智)【短編】 — 学校に漂う怪談と現実が交錯する、恐怖と郷愁のホラー短編。(出典:KADOKAWA)
『日本SF精神史【完全版】』(長山靖生)【評論】 — SFとミステリを結ぶ思想史的評論。(出典:Amazon)
2020年(第73回)
『スワン』(呉勝浩)【長編・連作】 — 銃乱射事件を軸に社会と個人を描く問題作。(出典:Amazon)
「夫の骨」(矢樹純)【短編】
『遠藤周作と探偵小説』(金承哲)【評論】 — 文学と推理を横断的に読み解く評論書。(出典:Amazon)
2021年(第74回)
『インビジブル』(坂上泉)【長編・連作】 — 戦後大阪を舞台に警察の闇と人間の尊厳を描く重厚作。(出典:Amazon)
『蟬かえる』(櫻田智也)【長編・連作】 — 雨音と記憶が交錯する静かな青春ミステリ。(出典:Amazon)
「#拡散希望」(結城真一郎)【短編】
『古典探偵小説の愉しみ I・II』(真田啓介)【評論】 — 黄金期探偵小説の魅力を再検証する評論集。(出典:Amazon)
2022年(第75回)
『大鞠家殺人事件』(芦辺拓)【長編・連作】 — 名家の密室を舞台に論理が光る本格推理の復活劇。(出典:Amazon)
「スケーターズ・ワルツ」(逸木裕)【短編】
「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」(大山誠一郎)【短編】 — 時計を操る名探偵が矛盾だらけの完全アリバイに挑む論理派短編。(出典:講談社タイガ)
『短編ミステリの二百年 一〜六』(小森収)【評論】 — 短編の進化を体系的にたどる労作評論。(出典:Amazon)
2023年(第76回)
『夜の道標』(芦沢央)【長編・連作】 — 失踪事件を通じて家族の愛と真実を照らすミステリ。(出典:Amazon)
『君のクイズ』(小川哲)【長編・連作】 — 記憶・知識・存在を問う知的ゲーム小説。(出典:Amazon)
「異分子の彼女」(西澤保彦)【短編】
『シャーロック・ホームズ・バイブル』(日暮雅通)【評論】 — ホームズ研究の集大成たる決定版ガイド。(出典:Amazon)
『1794』『1795』(ニクラス・ナット・オ・ダーグ 著/ヘレンハルメ美穂 訳)【翻訳】 — 北欧の闇と歴史を描いた骨太な犯罪文学。(出典:Amazon)
2024年(第77回)
『地雷グリコ』(青崎有吾)【長編・連作】 — 論理とサスペンスが交錯する爆弾ミステリ。(出典:Amazon)
『不夜島(ナイトランド)』(荻堂顕)【長編・連作】 — 闇に包まれた孤島での異色サスペンス。(出典:Amazon)
「ベルを鳴らして」(坂崎かおる)【短編】
「ディオニソス計画」(宮内悠介)【短編】 — 人類と神話の狭間で倫理を問う、知性と想像力の交錯する短編SF。(出典:新潮社)
『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション』(川出正樹)【評論】 — 翻訳ミステリ叢書を探索する書誌的評論。(出典:Amazon)
『江戸川乱歩年譜集成』(中相作 編)【評論】 — 乱歩研究の集大成としての詳細年譜。(出典:Amazon)
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『トゥルー・クライム・ストーリー』(ジョセフ・ノックス 著/池田真紀子 訳)【翻訳】 — 虚実が交錯する現代クライムメタ小説。(出典:Amazon)
2025年(第78回)
『崑崙奴』(古泉迦十)【長編・連作】 — 東西文化の激突と人間の宿命を描く歴史ミステリ巨篇。(出典:Amazon)
「黒い安息の日々」(久永実木彦)【短編】
執筆時現在、Amazonにて販売はありませんでした。
『日本の犯罪小説』(杉江松恋)【評論】 — 日本ミステリ史を貫く流れを総覧する評論書。(出典:Amazon)
『ビリー・サマーズ』(スティーヴン・キング 著/白石朗 訳)【翻訳】 — 殺し屋の贖罪と希望を描く感動作。(出典:Amazon)
よくある質問(FAQ)
Q1:この一覧の出典は?
A1:日本推理作家協会公式の受賞リストおよびAmazon.co.jp・出版社公式サイトの紹介文に基づいています。
Q2:紹介文の出典は?
A2:Amazon.co.jpの「内容紹介」や出版社コメントを40字前後に要約し、ネタバレを避けて編集しています。
Q3:どの部門の作品が掲載されていますか?
A3:長編・短編・評論・翻訳の4部門すべてを収録しています。各作品には部門を明記しているため、一覧から比較しやすくなっています。
